博士号取得への道。

<自分のためのメモ(駄文よりご笑覧ください)>

 

新しい業界に参入するのはなかなかに大変じゃ。人に教わったり自分で調べたり、人がやっていることを横目でみることで、日々アカデミア業界のお作法や行動の仕方を知っていきます。ちょっとづつ。

周囲の人たちにとっては、あまりに当たり前のことなのかもしれないのですが、演劇しかしてこなかった自分にとっては、下北沢の駅前劇場の楽屋から、パリのエッフェル塔の階段を登るぐらいの飛躍があります。まぁ、お作法に関して面と向かって教えてくれる人はあまりいないのは、きっとどこの業界でも同じでしょうけれど(演劇業界でもどのように出てゆけばいいかは誰も教えてくれないもの)。

さて私はいつか博士論文というものを書き上げなくてはなりません。
「ねばならない」ではなくて「書き上げたい」。「書き上げれればいいなぁ〜」という淡い希望ではなく「書き上げるぞ」というやる気はありますっつ(鼻袋ふくらむ)。

でもどうやったら博士論文を書き上げることができるのでしょう?
最初はその道筋すら知りませんでした。ただ単に「すっげ〜ことだよな。な。」と畏敬の念をもっていただけ(苦笑)。

しかし大学や先生方や所属している研究室にいると、だんだんわかってくるのです。人に教わったり自分で調べたり、人がやっていることを横目でみることで、日々アカデミア業界のお作法や行動の仕方を知っていく。ちょっとづつ。なのです。だから自分がいる環境ってとても大事(ここで文頭にもどる)。

さて。

博士論文を書き上げるためには、自分の論文を査読付きの学会誌に投稿して受託されることが必須となります。いきなり博論を書くことは許されないんですよ〜。逆にいうと、博論へのスモールステップを用意してくれているので、ステップをコツコツと上がることが大事。いきなりジャーンプで到達できるような山ではないので。ありがたいサポートシステムでもあります。

さらに論文を書くためには、その前段階として、学会のカンファレンスに出て、自分の研究に関する発表(口述やポスター)をして、色々な研究者から意見やアドバイスをもらったり、議論をします。そのプロセスによって、だんだん自分の研究が整理され深みを帯びてきます。研究はひとりの頭の中で考えるものではなく、いろいろな方がたの意見を聞き、刺激を受け、変容して、磨かれるものなのですね〜。

そうそう言い忘れました「学会」とは何かを説明していませんでした。「学会」とは、研究領域を同じくする人たちが組織している会で、主に2つの活動があります。1つはカンファレンス。まぁ演劇でいうところの「本番」ですね。イベント日時と内容が決まっていて、そこで発表する人や観客になる人がいます。演劇でいうと、それぞれの劇団が持ち時間の中で、次々と発表する。発表したあとディスカッションがある。みたいな感じです。1つ1つが濃厚なので、1つ1つが勉強になります。しかし1日話しを聞いていると、それだけでぐったりします。演劇コンクールの審査員もきっとそういう状態になるのでしょう。

もう1つは出版で、いろいろな人が投稿した論文を、査読という作業で振り分けして(演劇コンクールの審査みたいなもの)、採択された人(合格・受賞した人)だけがジャーナルと呼ばれる学術雑誌に掲載されます(演劇賞をとった作品を再演するみたいな感じ)。

学会のすごいところは、学術的にすぐれた研究者・大学教授などが、
運営や査読をすべてボランティアでやっていることです。もちろんシンポジウムなどには入場料など派生するのですが、それは具体的な運営費用として使われます。でもオーソリティと言われる人々が、きっと招待講演などでは高額な講演料を請求できるような先生方が、ただでやっているということです。演劇人がノーギャラで活動しているのと同じ??(?)

さて学会で発表するためには、アブストラクトと呼ばれる概要を提出しなくてはなりません。「はいやりたいっす!」と手をあげるだけではダメで、どんなことを発表したいかは予め明確になっていることが必要です。締切は半年ぐらい前です。大きな劇場をおさえるためには1年以上前になるので、それよりは短期準備ですみますね。でも劇団と違って、いつもはひとりで研究しているため、この半年前の締め切りに、自分の発表をまとめるのは、自堕落なわたしなどにとってはとても大変なことであります。

最近とつとつと理解してきているのですが(遅すぎ!)、ひとことで「学会」といっても色々あるらしいのです。わたしは自分の先生が所属している学会しか知らなかったのですが、もっともっとあるらしいのです。探すと山のようにあるので、一度知ってしまうと「どこの学会に投稿しようか」ということも、一つの悩みになります。しかも学会は日本だけではなく海外だったりします。行きたい国もあるけどそうでもない国もありますよね〜。しかも自腹だし〜(涙)。そうこう、うだうだ悩んでいるうちに締切が来てしまいます。「あ〜ま〜これはパスしてもいいかぁ〜」みたいな自堕落な気持ちになって、そのチャンスを流してしまう場合も。もちろん「絶対にこの学会に行きたい!」と鼻袋ふくらむ学会や開催国もありますが。

そして博士課程に所属できるのは3年〜6年。期間が決まっていますので、その中ですべてを終わらせなくてはなりません。1年に一度しかない学会発表のチャンスを逃すと、次は1年先です。「まぁ来年があるさ」と思っていると、後で痛い目に遭うことになります(この辺、早めに知っておきたかった〜)。

予定をしっかりたてて、スモールステップを着実に登っていく。
この作業が、博士課程で博士論文を書くときの重要なポイントです。

ってことを、博士課程2年目が終わろうとしているいま
痛感しているという。。(冷や汗)。。。

もっと早く知っておきたかったな。。。
誰か教えてくれればいいのに。。。
(←自分の不備を人のせいにして、現実逃げようとしている)