ゲストの内田健介さんが「日本の観客は1つの演劇を1回しか見ないから、観客にとっては台本があろうがなかろうが、その観劇体験は1回のものだ」という話は興味深かった。確かに同じ芝居を何度も見るってあまりない。
そう考えると「台本がある・なし」は演劇の本質の中央にある問題ではないだろう。私たちが考えなくてはならないことは、1回しか見ないお客様に、その体験が永遠のものになるような(何度も思い出して、その体験を咀嚼したくなるような)仕掛けを考えるってことかもしれないっていうか、そういうことを、面白い芝居をつくっている人たちは意識して創作しているのだろう。