その後、UPのアートディレクターのランディにインタビュー。彼が出演している映像がないので、彼にはいままでインタビューをしてきたパフォーマーが出演した映像を見せて、意見を聞いた。ひどいシーンに関しては、3秒ごとに映像を止めて「どう思う?なにか気がついたことある?」と尋ねた。するとランディは、「ここでAさんが先にリードを始めているが(Bをコントロールしようとしてる)、それに対してBさんはまったくリアクションをしていない。おそらくBさんは頭の中にいる。だから次のAさんのアクションがこうなっていく」など、とても興味深い指摘をしてくれた。ランディのようなすぐれた指導者が、どのように参加者を指導していくか。それは表面に現れた指導の仕方をみても学ぶところは多い。しかし実際にランディが何を考えて、どんな目的で、どのような意図で、どのように言葉を選んでいくかという点は、本人に聞く以外に知るよしはない。ただ、そんなことをいちいち聞かれたら、ちょっとうざい人になるかもしれない。
偶然の産物だが、映像を見てコメントしてもらうという方法は、指導者の頭の中を覗くには絶好のチャンスとなった。「もっともっとランディとこのセッションをしたい!明日帰るの残念!」と言うと「早く帰っておいで」とランディは笑った。