演技堪能。「万引き家族」

以下、あまりまとまっていない文章ですが、

忘れないうちに書いておきま〜す。

 

映画の前評判をなんども見ていて、

是枝監督が受けたインタビューを(偶然だけど)なんどもラジオで聞いていた。ので、めちゃくちゃ期待してました。

 

期待を裏切らない素晴らしさ。

 

特に、役者さんたちの演技がすばらしい!

と思ったのですが、

パンフレットを見ると

俳優さんたちは「全く役作りをしていない」という。

 

これはどういうことか?

 

まぁ、わたしも俳優のはしくれだし、映画にも出演したことあるので

(一応、ストックフォルム国際映画祭で主演女優賞をもらってます→ただの自慢)、なんとなく俳優さんたちが言っている意味は体験的には分かるつもりです。

 

俳優さんが「役作りをしていない」と言うときは「自覚的な策略がなかった」だけで、映画の撮影というかなり特殊な状況の中で(いくら是枝監督が俳優さんたちがリラックスできるような雰囲気を作ったとしても、やはりそれは特殊な環境なはずで)、その架空の状況の中で、架空の人物として自然に(?自然ってなんだ?)行動することは、やはり「演技をしている」(自覚はなくても)ということになるだろうし、そんなに簡単にできることではないと思う。

 

いま頭に浮かんだイメージは、動物園の動物。

動物園の動物たちは見られていることを意識しないで生きてるから、見ていて飽きない。そういう状態で、俳優さんたちがセットの中で生きてたら、その生態をそのまま撮影する(なかなか見られないような風景でも)ことができるのだろうか。

 

映画の撮影では、カメラさんとか照明さんとか「見られてるプレッシャー」みたいなものが確実にあるだろうけれど。

 

 

もしかしたら(これは完全にわたしの憶測でしかないけど)、

俳優さんたちが自由に「動物化」することを許してくれるような、そういう安全な現場を監督やスタッフさんが作り上げたのかもしれない。

 

もしそうだとしたら、その環境を創り上げたことそのものが、この映画の偉業ではないかとも思った。

 

わたしが宣伝しなくても、きっといろいろな方々がご覧になるだろうけれど、でもぜひ観て欲しい映画です。