コロンビア13日目

夜のワークショップを終えて、帰宅の22:30。朝もワークショップをやったはずだけれど、何をやったか思い出せない。長い1日。逆算して思い出そう。

 夜のクラス:ウッホ、ジェスチャーから動きをピックアップして創作するダンス、キャラクターモノローグ、ロングフォーム「ドミノ」という流れ。本当はロングフォーム「トレイントレイン」をやる予定だったが時間切れ。とにかく一つ一つのエクササイズの成果がやたらに面白く、それに対するお互いのフィードバックが活発に行われていた(「話し合いが充実しているので、どうかこの時間を止めないで!」と私に言いにくる参加者もいた)。ここのところ参加者には「みなさんも将来リーダーになっていくのだから、どのようにリードしていくか、どのように参加者のモチベーションを高めていくか、どのようにサイドコーチをしていくかも考えていきましょう」というようにしている。

 さて参加者は、ウォーミングアップの「ウッホ」ですでに大盛り上がり。その後のジャスチャーからダンス作るエクササイズは、とても新鮮だったらしく、度々歓声が上がり、倒れるほど笑っている人もいた。その分発表に時間がかかったが、抽象的な動きの面白さや、自分でアイデアを生成するのではなく、相手からアイデアをもらうことや、ちょっとした工夫でこれだけ面白くかっこいいことができるのだということなどを理解してもらうためには、よいエクササイズだったかなと思う。その後モノローグからロングフォーム「ドミノ」。これはシアトルのUnexpected Productionのランディから習ったもので、モノローグ、シーン、モノローグと続いていくフォーマット。日本でやるとステレオタイプのキャラクターとストーリーになりがちなのだが、こちらでさまざまな世界観が登場して、15分の発表が、まるで1時間の芝居を見ているような厚みを感じた。見ている参加者もおそらく同意見で、本当にこの場をみんなと共有できて嬉しい気持ちでいっぱいだった。加えて「守破離」など日本の芸術におけるコンセプトを説明したり、オススメのインプロのグループや、素晴らしいと思うインプロバイザーの名前などを紹介したりもした。どうしても英語圏が中心となるインプロ業界なので、スペイン語圏の人たちが得る情報は限られている(日本と似ている)。そこでできるだけの情報をリスト化して彼らに伝えている。

 ワークショップも中盤になり(すぐ後半になる)、お互いに気心が知れてきた。最初は「日本人だからハグはしないだろうな」と気を使っていたメンバーも、最近は積極的にハグしてくる。今日はついに「下ネタ」の話題。みんながたくさん下品な言葉を教えてくれた。「カレチンバ」という言葉はとてもエッチな言葉らしい。でも私にとってはただのジブリッシュなので、教えてくれた言葉を、ワークショップの途中で「ね、カレチンバだよね〜」とかいうと、みんながひっくり返る。それがたまらなく面白くて何度も使った。逆に「日本の悪い言葉を教えて」と言われたのだが「バカ」とか「アホ」とかしか思いつかなかった。日本語で悪い言葉って何があるかな?

 さて夜の前は、昼のインタビューだ。学生食堂でランチをしながら、ガテマラとアルゼンチンから来ている参加者にインタビューをした。何しろこのワークショップには、コロンビア、ベネズエラ、メキシコ、ベルー、プエルトリコ、キューバ、チリ、アルゼンチン、ガテマラから集まっている。南米のインプロがどうなっているのか、その事情を調査するいい機会。

 昼の前は、朝のワークショップやったんだっけ(苦笑)。そうそう、今日はパーソナルモノローグがメイン。連想パーソナルストーリーでは何人かは泣いて話をしていた。偏愛マップはすごく集中してやってくれて「もっと時間が欲しい〜!」という意見が多発。その後いろいろなマップして。その後モノローグを使ってアルマンドディアス。このグループはアメリカUCB(Uplight Citizen Brigade:シカゴ出身で今はNYとLAに劇場を持つ。アメリカでもっとも成功しているインプログループのひとつ)などで学んだ経験者が多いので、初めてアルマンドをやったのだけれど、みんなスルスルとできてしまう。それはそれで面白いのだけれど「そうだとしたら、彼らの刺激になる経験はなんだろう。何を提供したらいいのだろう」と考える。こういう時が一番わたしが活性化するとき。チャレンジングでリスキーで。たまらなく怖い嬉しい。

 今日も概ね良きWSだった。あと3日。気を抜かないで努めよう。

 そうそう中南米のインプロをリードしているGigioが「次回のインプロフェスティバルに、ぜひ日本人チームに来てもらいたい」とオファーをもらった。Gigoはイエローマングループの噂を聞いたことがあるらしく、最初は「イエローマンに来てほしい」と言っていた。でも今は活動していないので、そうだとしたら「若い人たちの新生イエローマングループでもいい?」と聞いたら「いい」と言っていた。フィジカルなパフォーマンスを期待しているようなので、若手でフィジカルな人たちを集めて、新しいイエローマンを結成しようかな(わたしは出ないけど)。